2018.7.26
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経営

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで利益をもたらす事業を発見

(写真=arka38/Shutterstock.com)
(写真=arka38/Shutterstock.com)
現在展開している複数の事業の中には、ローンチ直後のものもあれば、中核事業として長年続けているものもあるでしょう。中には「これはどう扱うべきなのか」と迷うものもあれば、先行きに少々不安を感じるものもあるかもしれません。経営戦略の視点から、これら複数の事業を俯瞰する際、「注力か、維持か、はたまた撤退か」の見極めができるツールがプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)です。

PPMとは、1970年代にボストン・コンサルティング・グループによって提唱されたフレームワークで、各事業単位で経営資源をどのように最適分配すべきかを検討する際、シンプルな図面によって、一目で事業の現状を把握できるのが特徴です。

PPMにおける4つの象限

PPMでは、一般的に以下の縦横軸からなる4象限の図表を書きます。
1.縦軸には、製品ライフサイクル(PLC)に基づく「市場成長率」
2.横軸には、経験曲線効果に基づく「相対的市場占有率」
このマトリクスは、各象限ごとに「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」の4つに分類されます。
(図表=みらい経営者 ONLINE編集部)

・問題児(成長率:高、占有率:低)
市場占有率が低く資金流入が少ない一方、市場成長率が高く競合の参入が多くなるため、多額の資金流出が発生します。市場占有率を高めることで「花形」への移行を目指します。PLCの導入期や成長初期の事業によく見られます。

・花形(成長率:高、占有率:高)
市場占有率が高いことから多くの資金流入が期待できる一方、市場成長率も高く競争が激しいため、設備投資や研究開発などの資金流出も多くなります。シェアを継続的に維持していくことで、将来的には「金のなる木」への移行を目指します。PLCの成長中期・後期の事業によく見られます。

・金のなる木(成長率:低、占有率:高)
市場占有率が高いことから多くの資金流入が期待でき、また市場成長率が低く参入が減ることから追加的な投資は少なく済むため、資金流出は比較的少なくなります。高シェアを維持しつつ、ここに位置づけられる事業で稼いだ資金を「負け犬」や「花形」の事業に投資して成長を図ります。PLCの成熟期の事業によく見られます。

・負け犬(成長率:低、占有率:低)
市場占有率が低いことから資金流入は少なく、また市場成長率も低いため極力資金流出を抑えます。撤退・売却・縮小を検討すべきとされていますが、安定的に資金を獲得できている場合や社会的に意義がある場合は、継続の判断となることもあります。PLCの衰退期の事業によく見られます。

PPMのメリット・デメリット

・メリット
PPMのメリットは、各事業の「市場成長率」と「相対的市場占有率」の二軸での評価により、ある程度の客観性をもった事業評価を行うことにあります。また、どの象限に各事業が配置されているかを見ることで、バランスの良い事業ポートフォリオを意識したうえでの「選択と集中」および「事業の拡大」の優先順位検討に役立ちます。

・デメリット
PPMの限界される要素には主に以下の5点が挙げられます。

1.市場成長率はPLCの考え方をもとにしているが、各事業がPLCのどの段階に位置するかは、調査期間の取り方など分析者の主観的な側面が大きい
2.相対市場占有率は「自社シェア」÷「自社を除く最大競争相手のシェア」を前提としており、対象市場の設定を誤ると大半の事業が「問題児」や「負け犬」に分類されてしまう
3.各事業間の相乗効果(シナジー)を考慮していない
4.すでに展開中の事業に対する分析であり、新事業展開時の分析の参考になりにくい
5.「負け犬」と分類された事業において、従業員のモラル低下が発生するおそれがある

PPMで有効な戦略策定を

PPMは事業評価および経営資源の最適分配の検討にあたり非常に有益な分析フレームワークです。一方、PPMでは分析できない視点があることも理解したうえで、自社のミッション・ビジョンや新事業分野ともあわせて検討することにより、より現実的な戦略策定の指針となるでしょう。
 

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(図表=みらい経営者 ONLINE編集部)
 

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