2018.12.10
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経営

ビジネスリーダーなら知っておきたい!新規事業の成功率を大きく底上げする方法

(写真=cristovao/Shutterstock.com)
(写真=cristovao/Shutterstock.com)
昔から新規事業の成功率は必ずしも高くはないと言われてきました。ベンチャー企業の雄であるユニクロの柳井氏も、事業を含めた新規の取り組みについては「一勝九敗」と述べています。しかし近年の調査において、新規事業の成功率はけっして低くはないことがわかってきました。一方で、新規事業には常にリスクがつきまとうこと、それ自体に変わりはありません。そこで本稿では、新規事業を行うにあたり、どうすれば成功率を底上げできるかについて説明します。

データから見る、新規事業の成功率と失敗率

2012年の中小企業庁の調査によると、新事業展開をした中小企業は、事業転換した場合の42.6%が経常利益を増加させたと述べています。一方で減少傾向にある企業は、事業転換した場合の20.3%となっています。また、2016年の同庁の調査では、新事業展開において経常利益が増加したと答えた企業は全体の51.4%にのぼり、高い数値を示しています。なお減少したと答えた企業は30.2%です。

同様のデータでは、新規事業に着手した背景として、成功した企業が「新しい柱となる事業の創出」が67.9%、「顧客・取引先の要請やニーズへの対応」が64.9%となっており、成功していない企業は、「他社との競争激化」が48.1%、「既存市場の縮小・既存事業の業績不振」が46.2%と答えています。これらのデータからは新規事業に自主的に取り組んでいる企業ほど成功率が高く、他方、目まぐるしく変わる市場環境など、外部要因にきっかけを持つ企業ほど失敗率が高いことがわかります。

新規事業で失敗を避けるための事例集も

スタートアップにおいて「あなたが思いつくアイデアは、すでに3人が思いついたものだ」との格言があります。しかし、それはリスクヘッジにおいては明確な指針となり得る貴重なものです。経済産業省の「ベンチャー企業の経営危機データベース」では、新規事業に着手した際に生じたさまざまな課題について学ぶことができます。これから新規事業を行うにあたり、似たような考えの事例はないか、一度あたってみることは参考になることでしょう。以下に一例を紹介します。

①準備不足の見切り発車で創業した結果、いきなりピンチに

・事例
広島県のA社(仮)は創業支援資金を活用して起業したものの、事前準備をせず、販路を開拓していなかったために4ヵ月もの間、売上はゼロでした。しかし、一か八かで帆布を用いた製品を開発したところ、これがヒットしました。A社は、現在では同様の革製品・紙製品などにも着手して堅実に売上を伸ばしています。

・課題と解決策
A社の課題は、前勤務先の経験のみを頼りに販路の見通しもなく創業に着手したことにあります。創業支援の融資を受けることはけっして難しくはないものの、同時にしっかりとした事業計画を策定し、万一に備えた入念なストレステストを行った上で慎重に次のステップに踏み入らなければ、新規事業はたちまち行き詰まってしまうことになりかねません。

②技術畑が集まった結果、製品の市場投入が遅れて窮地に

・事例
大阪府のB社(仮)は特許を有する技術畑が集まった精密機器メーカーです。研究・開発はスムーズで製品化まで着々とこぎつけました。しかし製品化後の販売計画がほとんどなく、営業ノウハウを持つ社員もいなかったため、市場開拓がなかなかできませんでした。やがて市場に大手起業が参入してきて、同社は窮地に立たされることとなってしまいました。

・課題と解決策
国内の職人・技術畑がよく言う言葉に「良い製品を作ればお客は自然と集まってくる」というものがあります。しかし現実は営業ノウハウが圧倒的に不足していたため、市場参入のタイミングが大幅に遅れてしまったのです。また営業ももちろんですが、大手企業参入の際の撤退判断なども含め、市場調査や販売にまで至る、全体を総括する経営者役が不足していたことが失敗の原因です。

リスクヘッジに必須の「評価基準」

まだ誰も行っていない新規事業は、突き詰めれば「わからない」事業です。自社が開発した新製品が良いのか悪いのかすら、いざ投入してみなければ判断がつきません。新規事業開発を行うにあたり、多くの企業ではSWOT分析やサプライチェーン図をはじめとする複数のフレームワークを用いますが、事業計画書を作成した後は比較対象となるものが存在しません。そこで必要となるものが事業計画に対する評価項目です。

みらいコンサルティングでは、投資を行うにあたり、事業計画が適正であるか否かの評価項目を設けています。項目は6つの問に分かれており、①中長期的な投資にあたり、取り組む意義として自社の使命や戦略との整合性があるか ②顧客の獲得に向け、他社ではなく自社が、誰に何の価値を提供するのか ③資金計画や参入方法を検討した上で、本当に儲かるのか ④仮説検証はもちろんだが、その上で実現できるのか ⑤自社の強みはどこか ⑥参入障壁が設えられているか、と言ったものが要旨となっています。

もちろん、まったく未知の新規事業において上記すべてがクリアできるわけではありません。課題が生じた際にはそこからさらにブラッシュアップを繰り返す視点が大切なのです。また、これらに加えてリターンを計測するためのキャッシュ・フロー・シミュレーションなども行う必要があります。

新規事業は入念な計画の策定とブラッシュアップを繰り返す

新規事業においては先ほどの事例のように、開発から販売に至るまでどこか一部分でも欠けているとたちまち大きな壁に阻まれます。新規事業に際しては何よりも求められるものが入念な計画の策定です。そしてまたそこで生じた課題に対する解決策でもあります。

もちろんすべての企業が開発から販売に至るまでのすべてを網羅しているわけではありません。課題にぶつかった際には専門のコンサルタントなどに相談してみることをおすすめします。

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