2019.1.28
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経営

2019年の税制はどう変わる? 税制改正大綱のポイントについて

(写真=Freedomz/Shutterstock.com)
(写真=Freedomz/Shutterstock.com)
2018年12月に2019年度の「税制改正大綱」が発表されました。2019年は消費税率10%への引き上げが行われることに伴い、増税前の駆け込み需要が発生することが予期されるため、主たるテーマの一つに駆け込み需要の平準化が織り込まれています。本稿では、今回の税制改正大綱についての主なポイントについて解説します。

2019年度税制改正大綱の背景と方針

政府はアベノミクスによる経済成長で、生産年齢人口の減少に関わらず、10%以上の経済成長と250万人の雇用増加を達成したと発表しました。次の重要課題として少子高齢化と財務健全化に対する構造的な改革を目指していくとしています。この取り組みは多岐にわたりますが、目玉となるものは消費増税前の駆け込み需要への増加と反動減、とくに住宅と自動車に対する税制上の支援による平準化が課題となっています。

大きな方針は以下の3つです。
①個人所得税・消費課税の是正
②法人税課税の是正
③資産課税の創設および変更

次いでこれらの中から重要なものをピックアップして解説します。

2019年度税制改正大綱のポイント

個人所得税・消費課税の是正

①    ふるさと納税

ふるさと納税は、納税に対する返礼品があまりにも豪華になりすぎていることが課題となっていました。そこで2019年6月1日以降、ふるさと納税の適用対象については総務省が指定することになります。また返礼内容は地場における生産物に限られ、かつ返礼割合が寄付金額の30%以下とすることに決定しました。

②    住宅ローン

消費増税に伴う駆け込み需要と増税後の反動減への対策として、住宅ローン控除における特例を創設しました。当該制度を利用することにより、今現在の住宅ローン控除の適用が終わっても3年間、一定額を所得税額から控除できるようになります。

③    自動車税

保有に関する自動車税についての恒久的な引き下げが決定されました。また環境問題などへの配慮も踏まえ、エコカー減税における軽減割合の見直しが行われます。

法人税課税の是正

①    研究開発税制

異業種・異分野とのシナジーにより、新しいビジネスモデルなどを構築するオープンイノベーション型の企業やベンチャー企業への研究を行うにあたり、控除上限を10%に引き上げます。

②    中小企業への設備投資支援

中小企業に対する法人税率の軽減措置の期間を延長します。また災害が生じた際の事業活動への影響を踏まえ、防災促進のための設備投資の特別償却制度を創設します。

③    みなし大企業の範囲の見直し

現行では中小企業向けの優遇税制が受けられない「みなし大企業」の範囲が以下の要件を満たすものを含めたかたちに拡大されます。
(イ)大法人(資本金5億円以上)の100%子法人
(ロ)100%グループ内の複数の大法人に発行済株式または出資の全部を保有されている法人

資産課税の創設および変更

①    個人版事業承継制度

事業承継においては、今年度より新しく個人事業者に対しても相続税および贈与税に関する納税猶予の制度が設立されるようになりました。当該制度は、事業用の建築物や一定の減価償却資産を対象としたもので、10年間の時限を設けた100%の納税猶予となります。

②    配偶者居住権の評価方法

民放の改正によって新たに配偶者居住権が設立されることとなりました。これは相続発生時、遺産分割が生じた際も配偶者が現行の建物に住み続けられる権利です。当該制度では配偶者居住権の評価方法や建築物の価額などについての算出率を設けています。

個人・法人ともに税制改正には要注意を

2019年度版税制改正大綱には、上記のほか、NISAの下限年齢の引き下げなど、個人・法人ともに多くの変更点や新しい制度が盛り込まれています。事業はもちろんのこと、相続および自動車や住宅ローンなど、個人の生活にも直結する改正が多いため、まずは内容を一読して気になる点があるのであれば、ぜひ専門家に相談することをおすすめします。

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