2019.6.7
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中国・アセアンNews

中国駐在員は必読!個人所得税の改正について

(写真=Nickolay Vinokurov/Shutterstock.com)
(写真=Nickolay Vinokurov/Shutterstock.com)
2019年1月より、中国では個人所得税の改革が始められます。この内容は、非課税枠の拡大および税率の改正など多岐にわたります。なかでも中国駐在員が知っておきたいところに、個人所得税が適用されるか否かが決定される「90日ルール」「6年ルール」が挙げられます。本稿では、個人所得税の改革のポイントおよび適用ルールについて解説します。

個人所得税の改革が施行される

中国では2018年8月31日、全国人民代表大会で個人所得税法の改正が可決されました。施行は段階的に進められますが、そのほとんどは2019年1月に行われました。本改正は、従来の中国における個人所得税法から大幅に刷新される内容であり、中国の駐在員などにも少なからず影響を与えます。中国に進出する企業などが気にしておきたい点は、「どの時点で個人所得税が適用されるか」ということです。

この線引きが分からないことでトラブルが発生するおそれがあります。個人所得税の内容を知っておくことはもちろんですが、適用の線引きについても知っておく必要があるでしょう。

改革のポイント

・税制度の抜本的な改正
本改正の内容は多岐にわたりますが、大まかな点としては「課税所得の種類の改正」「賃金給与所得の税率の改正」「賃金給与所得に関する基礎控除の引き上げ」「国外移住前の税務精算」などが挙げられます。

・居住者の定義の明確化と183日ルール
個人所得税が適用されるか否かについて定義が定められました。これは「居住者」の定義でもあります。中国では従来、居住者というものの定義が明確ではありませんでした。このため、個人税が発生する「居住者」については「中国国内に住所がある」もしくは「中国で満1年居住している」のどちらかとされていたのです。

とくに「満1年の居住」は、国外に累計で90日を超えない場合は日数を控除されなかったため、中国駐在員は年間で91日以上の出国が必要とされました。しかし、本改正では「中国に住所はないものの、中国国内で183日居住している人」を居住者と定義しました。これにより、中国駐在員が「居住者」となるか否かについて非常に明確になったのです。

・「5年ルール」から「6年ルール」に
中国ではこれまで、個人所得税の課税方法について国内源泉所得と国外源泉所得を合算した方式を取っていました。ただし、この課税方式は中国に1年以上5年以下居住する人に対しては、国外の源泉所得は免税とされていたのです。これを「5年ルール」と呼びますが、改正後もこのルールの内容は引き継がれたまま、1年の居住期間が183日以上に変更され、そのかわり6年以下の居住期間と変更されるようになったのです。

日本企業への影響は?

今回の法改正で最も押さえておきたいポイントは「居住者」の定義の明確化です。居住者と非居住者とでは税金の計算方法や税率がそれぞれに異なります。このため、中国で駐在員をしている人が「居住者に該当するのか否か」「それに応じて働き方も変更するのか」など、いくつかの課題が出てくることになるでしょう。

また、上述したように本改正の内容は多岐にわたり、さまざまな面で詳細な変更がなされています。さらに、控除を行うための証明となる書類なども、職業資格証明書からローン契約の支払い書など、さまざまなものが求められるようになるため、この点にも注意しておきたいところです。

迷ったら専門家に相談を

中国での法改正について解説しましたが、国外進出において、法律の改正が生じることはよくあるリスクの一つだと言えます。とくに本改正はさまざまな面で駐在員のビジネスに影響をもたらします。不明な場合や悩みが生じた際には専門家に相談することをおすすめします。

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