2019.7.24
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中国・アセアンNews

はじめての海外進出で気をつけたい「外資規制」について

(写真=Evannovostro/Shutterstock.com)
(写真=Evannovostro/Shutterstock.com)
日本を含む世界の各国には、資源の保持などを理由に国外企業が投資できない業種が存在しています。外資規制と呼ばれるこの制度は東南アジアなどにとりわけ多く見られる傾向です。この規制を知らずに事業を開始した場合、事業の停止を命じられたり、ペナルティを課されたりするおそれもあります。本稿では、外資規制の概要および注意点について説明します。

外資規制とは

世界中の国々は、それぞれに資源や資産があります。資源とは石油や鉱石などだけではなく、土地もしかりです。時にそれはIT技術であったり、マスメディアであったりもします。いずれにせよ、その国の大事な資源や資産を他国に奪われるおそれがあるものに、国は外資系企業に対して一定の規制を設けることがあるのです。

もしそれがなければ、たとえば小さな国土の国は圧倒的な資産で国の土地のほとんどを外資系企業に買い占められてしまうかもしれません。石油であれば枯渇するまで外資系企業に掘り尽くされてしまう可能性もあります。このような事態に陥らないための措置が「外資規制」なのです。この外資規制を知らずに、外国でビジネスを始めようとするとリスクが生じるおそれがあります。

たとえば、一定の農産物の栽培が規制されている国に、対象となる農産物を生産しようとした場合、進出の準備を整えたにも関わらず、いざ栽培の段階で政府から事業の中止を求められたり、法律違反として多額の賠償金を求められたりするおそれもあります。

海外の外資規制の例

外資規制は国ごとによって異なります。とくに外資規制が多いのは東南アジアです。東南アジアにおける外資規制の一例を挙げてみましょう。
 
東南アジアにおける外資規制の一例
タイ ・農業および果樹園、畜産、林業、漁業、タイの薬草、骨董品、仏教関連、土地取引など
インドネシア ・大豆、ラタンを用いた編み物、建設コンサルティング、石油の採掘、小売、レンタル、美容室など
シンガポール 光ディスク(CD・DVDなど)、金融、ビールなどの製造業、電気ガス、法律サービスなど

外資規制のかたちは国によってさまざまです。たとえば、中国は土地の取得を認めず、所有のみを認めたり、またその他の規制内容が包括的であったりします。米国の場合、エクソン・フロリオ条項によって、米国の安全保障を脅すと判断された場合、分野に関わらず、米国企業の買収を停止もしくは禁止することが可能です。他国へ進出する際には、事前のチェックを怠らないように気をつけましょう。

日本における外資規制

日本にも外資規制は存在しています。日本の場合、とくに一定の分野に投資することが制限されていることが多いのが特徴です。日本における外資規制でまず挙げられるものは「通信分野」です。日本では電波法や放送法などによって、マスメディアに対する外資からの出資規制が設けられています。また、安全保障上の分野についても厳しく、航空、武器、原子力、宇宙開発、鉄道、石油などに関する投資も制限されています。

上記の制限内容は、たとえば通信分野であれば外国人による議決権割合の制限や、役員への就任の禁止などとなります。また、航空や運送などであれば、登録や許可を受けることができなくなります。

外資規制について調べるには

外資規制は思いもよらないところに生じることがあります。同じ工業製品でも「Aという素材は許可されていても、Bという素材を利用することができない」というパターンもあるでしょう。また、企業を買収しようとしたところ、外資規制によって徒労に終わってしまうおそれもあります。海外進出のリスクを避けるにはこのような細かい部分について調べることが必要です。

そのためには、海外進出に強い専門のコンサルタントなどに精査してもらうことが大切です。外資規制で悩んだ場合には専門家に相談することをおすすめします。

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