2018.7.9
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人事・組織

【社会保険未加入】経営者の勘違い節税と大きなリスクが!

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
社会保険は法人・個人事業主を問わず、原則的に起業後に必ず加入しなければなりませんが、加入していない事業所が数多く存在します。社会保険に加入せず、社会保険料を支払わないことを「節税」と勘違いしている経営者もいますが、それは「法律違反」に当たります。

経営者や個人事業主にとって、社会保険料の負担は決して少ないものではありませんが、加入しないリスクも数多く存在しますので、本稿で解説いたします。なお、社会保険には、狭義(健康保険・厚生年金)と広義(狭義+労災保険・雇用保険)の2種類の定義がありますが、今回は狭義についての解説になります。

社会保険に未加入だとこんなリスクが

法人の事業所の場合、業種や従業員数にかかわらず、必ず社会保険に加入しなければなりません。また、適用業種の事業を行い、かつ常時5人以上の従業員を使用する個人事業主の事業所にも加入義務があります。

では、社会保険に加入しないことによるリスクとは何か、以下の点が挙げられます。いずれのリスクも経営への影響が大きく、場合によっては事業継続が困難になる可能性があります。リスクを考慮すると、起業後直ちに社会保険に加入することをお勧めいたします。

①年金機構から事業所資産(金融機関の預金、債権等)を差し押さえられるおそれがある。
②現在から2年間遡って社会保険に加入し、社会保険料を支払わなければならない。
③従業員が死亡または発病した場合、遺族厚生年金や傷病手当金が国から支給されないため、事業所に対して賠償請求される可能性が高い。
④ハローワークに求人を出せなくなる。
⑤いわゆる「ブラック企業」として認知されてしまう。

経営者は指導通知から逃れられない

先に述べたとおり、社会保険の未加入には大きなリスクが生じます。たとえば業務中に従業員が死亡・発病したにも関わらず、社会保険に未加入だった場合、加入していれば受給できる遺族厚生年金や傷病手当金が国から支給されないため、裁判等で訴えられた場合、事業所は本来なら受け取れた金額を従業員に対して支払う義務が生じます。莫大な損害賠償も併せて訴えられる可能性も考慮に入れると、中小規模の企業であれば、それだけで倒産することもあり得るはずです。

また、ハローワークでの求人ができなかったり、口コミなどで会社の悪評が振りまかれたりすると、人材確保はもちろんのこと、目に見えるかたちで売上が下がりかねません。

最近では年金機構の調査が非常に厳しくなり、未加入の事業所の資産が差し押さえられるケースが出ています。マイナンバー導入に伴い、更に調査の厳しさが増すともいわれており、調査の結果、未加入を指摘された場合は最大2年分遡って強制加入させられるおそれもあります。また、従業員が社会保険に加入することも拒否できません。

社会保険加入をメリットと捉えよう

社会保険料をコストとして捉えず、メリットと考えることはとても大切です。社会保険は文字どおりの保険です。従業員の病気や怪我、事故などのリスクを軽減できることでしょう。また、社員のみならず、経営者をはじめとした役員も国民健康保険・国民年金に比べ、手厚い保障とサポートを受けられます。

社会保険は法人・個人事業主を問わず、原則的に加入が義務付けられています。加入するメリットと加入しないことによるリスクを考慮すると、必ず加入すべきです。現在、国は社会保険料の徴収に注力しています。起業直後の会社はもとより、まだ社会保険に未加入の会社の方もぜひ社会保険に加入することをお勧めします。

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