2019.5.10
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人事・組織

ようやく全貌が見えてきた「特定技能1号・2号」について

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)
政府は少子化に伴う労働人口減少への対策として、新たな外国人材の受け入れを促進する「特定技能」を創設しました。この制度は2019年4月より施行されていますが、まだ全体像がつかめていないという人も少なくありません。そこで本稿ではようやく全貌が見えてきた特定技能1号および2号の詳細についてお伝えします。

特定技能の創設で人手不足の解消を狙う

特定技能とは、深刻化する人手不足に対応するために現行の制度を拡充し、幅広い外国人材を受け入れる仕組みです。これまで外国人の技能実習生や高度な専門技術者などは受け入れていましたが、単純労働を目的とする外国人は受け入れていませんでした。新制度の創設により、外国人の単純労働者の受け入れも可能になります。

日本語試験を実施する特定技能の受け入れ対象国(2019年6月時点、署名予定の国も含む)は、①ベトナム、②中国、③フィリピン、④インドネシア、⑤タイ、⑥ミャンマー、⑦カンボジア、⑧ネパール、⑨モンゴルの9ヵ国となっています。

2種類の特定技能

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。1号と2号とでは働ける業種や在留期間などの待遇も大きく異なるため、外国人を雇用する際には注意が必要です。

外国人が「特定技能1号」を得るには、

①技能試験に合格する
②技能実習2号を修了する

の2種類があります。なお、①の場合、生活・業務に必要な日本語が話せることが求められるため、日本語試験に受かる必要もあります。

特定技能1号における就労分野

特定技能1号で就労できる分野は ①外食、②宿泊、③介護、④ビルクリーニング、⑤農業、⑥漁業、⑦飲食料品製造業、⑧素形材産業、⑨産業機械製造業、⑩電気・電子情報関連産業、⑪建設業、⑫造船・舶用工業、⑬自動車整備業、⑭航空業の全14種類となっています。

特定技能1号を取得すると、1年、6ヵ月または4ヵ月ごとの更新で、通算で5年を上限として日本に在留することができるようになります。ただし、家族の帯同は基本的に認められません。また、転職は同一業務区分内、または試験によって技能水準の共通性が確認されている業務区分間において認められます。

特定技能2号における就労分野

特定技能2号は、熟練した技術を要する業務に従事する外国人が対象となります。特定技能2号で就労できる分野は、①建設と②造船・舶用工業の2種類です。特定技能2号を取得すると、3年、1年または6ヵ月ごとの更新となりますが、期間に上限はなく、要件を満たせば家族の帯同も可能となります。特定技能2号を取得するには、技能試験に合格する必要があります。ただし、日本語試験は不要です。

特定技能制度で外国人を雇用するには?

人手不足に悩む業界の企業経営者や人事担当者の中には、単純労働分野で活躍が期待できることなどから、特定技能を保持する外国人材の雇用に興味を持っている方もいることでしょう。では、特定技能保持者を雇用するにあたって、企業側はどのような手続きを取ればいいのでしょうか。これについては細かなガイダンスがあり、それらを遵守する必要があります。

海外から来日する外国人を特定技能1号として受け入れる場合、次の手続きが必要になります。

① 雇用契約の締結(事前ガイダンスの実施、健康診断の受診なども含む)
② 地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請を提出
③ 在留資格認定証明書の交付
④ 査証申請
⑤ 在外公館での査証発給
⑥ 入国
⑦ 受け入れ先での就労開始

また日本国内に在留している外国人(中長期在留者)に関しては、雇用契約締結やガイダンスの実施後に、地方出入国在留管理局への在留資格変更許可の申請と許可を経て、就労開始となります。

なお受け入れ機関(企業)には、賃金が日本人と同等かそれ以上であることや、外国人が話せる言語を使えること、生活を支援できる体制が取れていることなどの諸条件が求められます。中には外国人の出入国の際の送迎なども盛り込まれており、一見すると敷居が高いように思われます。ただし、受け入れ機関とは別に国側が登録支援機関を設けているため、そちらに委託することも可能となります。

特定技能保持者を雇う際には専門家に相談を

特定技能はまだ始まったばかりの制度であり、政府としても手探り状態で様子を見ている段階と言えます。そうであっても人手不足の業界にとって特定技能による外国人労働者は魅力的な存在に映るはずです。特定技能保持者を雇用するには、労働者の受け入れ体制なども整える必要があるため、まずは専門家に相談することをおすすめします。


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