2019.6.14
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人事・組織

人生100年時代!シニア活用で人材不足を乗り越えろ

(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
少子高齢化による労働人口の減少に伴い、政府は「働き方改革」を推進しています。この改革の柱の一つに「シニア社員の活用」が挙げられます。売り手市場における採用難が続く中、人手不足倒産が相次ぐ現代、ノウハウやスキルを保持したシニア社員を活用し、「働けるうちはいつまでも活用」を実現していくためにはどうすれば良いのか。本稿では、大手企業などを例にシニア社員の活用法について説明します。

シニア社員が求められる時代へ

国内の少子高齢化が進行し続けています。総務省が行った2017年10月の「人口推計」によると、2017年時点での総人口は約1億2,671万人であるのに対し、65歳以上の人口は約3,515万人です。なんと全体に占める割合の約28%にも及んでいます。一方で、2018年9月の有効求人倍率は1.64倍と1974年以来の売り手市場です。今や深刻な労働力不足が続く中、黒字倒産する企業も相次ぐ始末となっています。

このような労働力不足において、シニア社員の活用に注目が集まっています。シニア社員は、定年後の再雇用などにより熟練したスキルやノウハウ、人脈などを活用できる優れた社員です。国もシニア社員の活用を推進しており、改正した高年齢者雇用安定法を施行させたことで60歳以降の継続雇用を段階的に義務化したうえで、2025年度には義務化年齢を65歳まで引き上げるものとしています。

このように市場・企業・政府の三者それぞれの人材ニーズに合致するシニア社員ですが、次に具体的な事例を挙げてみましょう。

定年延長を打ち出す大手企業

大手企業の中には、自主的に定年を65歳まで引き上げているところも登場しています。2017年、定年を65歳以上に引き上げた企業の割合は全体の約18%であり、これは10年前の3倍の数値です。自動車メーカーのホンダは2017年に定年制度の引き上げを決定しましたが、その要因には厚生年金の65歳までの引き上げや、多様な人材を活用できる組織作りなどが背景にあります。

また、保険業界の明治安田生命はシニアの持つ経験や知識を活用したいとして、2016年に定年の引き上げを決定しました。同様に2017年に定年延長を決定した日本ガイシは、60歳以降であっても年収を維持する制度を独自に打ち出しました。

シニア社員の活用と定年延長の課題

このように、活躍が期待されるシニア社員ではありますが、問題点がないわけではありません。シニア社員を活用するためには定年後の再雇用制度などを企業側で設ける必要があります。しかし、企業としては「定年を迎えた社員全員を延長させるのか」「会社側が選抜して必要な社員を再雇用するのか」など、抜本的に考えなければならないところが多く存在しているのです。

これは、人事側から臨んでシニア社員の活用でまず挙げられるべき課題だといえます。よく言われるのが、いわゆるパラサイト型の社員の問題です。能力も貢献意識も低く、ただ安穏としているばかりのパラサイト型社員は、年齢と経験だけは重ねている分、場合によっては一般社員や新卒社員の負担になりかねないおそれもあります。

このような層に対しては「採用すべきか否か」「採用する場合はどのような評価項目を設けるか」など、アプローチの仕方を考えることが企業側として一つの課題となるでしょう。

シニア社員の活用は専門家に相談を

シニア社員を活用するにあたっては、再雇用制度をどう設けるかが肝心です。「どのような再雇用の条件を設けるのか」「再雇用にあたってどのように評価するのか」といった内容で企業の未来は大きく方向性を変えることになりかねません。シニア社員の活用を考えるのであれば、専門家に相談することをおすすめします。

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