2018.12.17
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事業承継

事業承継やM&Aで効果を発揮!持株会社のメリット・デメリット

(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
企業において「〇〇ホールディングス」という名称をよく耳にします。これは「持株会社」と呼ばれるもので、他社の経営権を持っている企業のことを指します。この持株会社にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあります。本稿では、設立から活用方法に至るまで、持株会社について解説します。

持株会社の仕事は子会社の管理

他の会社の株式を保有し、経営権を握る会社を持株会社といいます。持株会社には大きく分けて3種類あり、それぞれが、①純粋持株会社、②事業持株会社、③金融持株会社、と呼ばれます。

①純粋持株会社
純粋持株会社とは、持株会社としての機能のみに特化し、自身では他の事業を行わない会社です。つまり、子会社の管理を本業とし、全体を統合する役割に専念している会社を指します。一般的に「持株会社」と呼ばれるものは純粋持株会社を指します。

②事業持株会社
事業持株会社とは、持株会社としての役割に加えて、自社でも何らかの事業を営む方式を取っているものです。他社と株式を持ち合っている企業なども事業持株会社に含まれます。

③金融持株会社
金融持株会社とは、銀行や証券会社、保険会社など金融関連の子会社を傘下に持っている持株会社のことです。

持株会社設立のメリット

持株会社の設立には多くのメリットがあります。

・事業単位での制度の独立化
持株会社は、子会社をそれぞれ独立採算制とすることができます。これにより各事業の責任が明確になるのです。さらに単一の事業を適正な規模で行うことにより、意思決定が迅速になることもメリットの一つです。

また、各事業に合った労働条件を設定することもできることも持株会社の強みです。例えばタクシー会社と設計事務所など、労働条件が異なる事業をひとつの会社で行うと人事制度に混乱をきたします。しかし、持株会社として会社を分けると、それぞれの事業に合った就業規則の作成が可能となるのです。

・責任の分散によるリスクヘッジ
持株会社はリスクヘッジにも役立ちます。損害賠償の発生など、経営の根幹に関わる事態に遭ったとしても、他のグループ企業の業績に影響を与えずに処理することが可能となります。これは危険物を取り扱うなど、リスクの高い事業を扱う際にも有効です。

・M&Aと事業承継にも効果を発揮
持株会社はM&Aにも効果を発揮します。事業譲渡であれば、グループ全体に影響することなく、売却したい事業のみを「切り売り」できるため、円滑な譲渡が可能となります。逆に敵対的買収を受けた際にも持株会社は効果を発揮します。万一、持株会社が買収されたとしても、子会社は独立性を保っているので、影響を最小限に抑えることができるのです。

事業承継に関しても、すでにいくつもの会社を経営している人にとっては、持株会社化することで株式の譲渡が単一化されるため、円滑な承継が可能となります。

持株会社のデメリット

メリットの多い持株会社ですが、デメリットもあります。まず、各グループ会社で部門が重複してしまい、無駄なコストがかかりやすい点が挙げられます。このため、重複しそうな部門では横断的に事務を行う部署や専門の会社をつくるなどの工夫が求められます。

また、人間関係にも問題が生じやすい面があります。各グループ会社はそれぞれ形態も社風も異なる人たちばかりです。このため、グループ間でいさかいが起こると社内での問題よりも事が大きくなりがちな傾向があるのです。人間関係の調整にも配慮が求められるのです。

持株会社の設立方法は3種類

持株会社の設立方法には大きく分けて3種類あります。

①抜け殻方式
事業会社から持株会社に移行する際によく使われるのが抜け殻方式です。会社分割や事業譲渡などの方法で新たに事業会社を設立し、元の会社はそのまま持株会社になります。

②株式交換
株式交換は上場企業などを完全子会社するためによく用いられます。事業会社の株主が持っている株式を強制的に親会社の株式と交換するため、迅速で確実な手続きが可能です。

③株式移転
新規に持株会社を設立し、元の事業会社が完全子会社となる株式移転という方法もあります。元の事業会社の株主には持株会社の株式を交付します。

自社に合った方法で事業再編を

持株会社は株式を持つことで他の会社を支配する企業です。独立採算制による意思決定の迅速化や敵対的買収への防衛策としてなど、持株会社には複数のメリットがあります。設立方法の選択や生じがちなリスクの回避などもあるため、持株会社の設立で悩んだ際には専門のコンサルタントなどに相談することをおすすめします。

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