2018.7.18
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資産運用

加入していない会社は要注意! 社会保険未加入で生じる問題点

(写真=Jirsak/Shutterstock.com)
(写真=Jirsak/Shutterstock.com)
社会保険に未加入の会社はいまだに存在しています。その理由は近年まで、国は社会保険未加入の会社にそこまで厳しく行政指導をしていなかったためです。このため、たとえば昭和の中期に起業したものの、社会保険には未加入でそのままズルズルと加入せずに現在に至っている会社が存在しているのです。

今回は社会保険に未加入であることで、どのような問題が生じるかについて解説いたします。なお、社会保険には、狭義(健康保険・厚生年金)と広義(健康保険・厚生年金および労災保険・雇用保険)の2種類の定義がありますが、本稿では広義の社会保険についての解説になります。

健康保険・厚生年金の場合

法人の事業所の場合、業種や従業員数にかかわらず、必ず健康保険・厚生年金に加入しなければなりません。また、適用業種(※)の事業を行い、かつ常時5人以上の従業員を使用する個人事業主の事業所にも加入義務があります。
(※)(製造業、土木建築業、鉱業、電気ガス業、運送業、貨物荷役業、焼却・清掃・屠殺業、物品販売業、金融保険業、保管賃貸業、媒介周旋業、集金・案内・広告業、教育・研究・調査業、医療事業、通信報道事業、社会福祉事業・更生保護事業の16業種)

経営者をはじめとした役員自身が被保険者になれるかどうかは、法人・個人事業主のどちらに該当するかで異なります。個人事業主の場合、健康保険・厚生年金の被保険者にはなれません。このため、たとえ5人以上の従業員がいたとしても、個人事業主は国民健康保険・国民年金に加入しなければなりません。一方で、法人の場合、法人から労働の対価として報酬を受けている経営者をはじめとした役員は被保険者に該当します。

労災保険・雇用保険の場合

労災保険・雇用保険ともに、経営者・個人事業主および労働者の意思に関係なく、一部事業(※)を除いて加入が義務付けられています。
(※)(労災保険の場合、農業・林業・水産業のうち、指定の条件を満たす事業)
経営者を含む、法人の役員等は労働者としては扱われず、労災保険・雇用保険ともに被保険者にはなれません。但し、常時300人(卸売業・サービス業は100人、金融業・保険業・不動産業または小売業は50人)以下の労働者を使用し、労働保険の事務処理を労働保険事業組合に委託している中小事業主、および中小事業主が行う事業に従事している人は労災保険に特別加入が可能です。

社会保険加入に加入しない危険性は

社会保険に加入しない場合、従業員の病気や怪我、事故などで多額の賠償金を請求されるおそれがあります。万一従業員が死亡した場合、倒産の危機に陥るほどの大問題にも発展しかねません。また、現在国は社会保険の未加入企業に厳しく指導をしており、社会保険加入の勧奨を無視し続けた場合、強制加入させられることに加え、最大2年分の社会保険料を強制徴収されるリスクがあります。また、社会保険未加入の場合、ハローワークに求人を出すことができない等のデメリットも存在します。

社会保険の加入は義務と責任

社会保険は健康保険・厚生年金および労災保険・雇用保険ともに、法人・個人事業主を問わず、殆どの事業所で加入が義務付けられています。加入しないことによるリスクやデメリットを考慮すると、法人または個人事業主の義務と責任から、必ず社会保険に加入することをお勧めします。

また、社会保険の保障やサポートのみを考慮した場合、法人は経営者をはじめとした役員自身も被保険者として保障やサポートを享受できるため、法人化を検討する際にはその点にご留意ください。

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