2018.9.13
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資産運用

祖父母から孫へ!教育資金贈与のすすめ

(写真=Sharomka/Shutterstock.com)
(写真=Sharomka/Shutterstock.com)
子どもがいる家庭にとって、教育資金は常につきまとう問題の一つです。また、祖父母にとっては、相続や贈与をどのように行うかが相続税・贈与税の金額に影響してきます。近年、祖父母から孫への教育資金贈与を通じて、贈与税を非課税にする「教育資金の一括贈与非課税制度」(正式名称は「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」)が創設され、多くの人に利用されてきましたが、2019年3月31日をもって、制度が終了になります。

本稿では、制度終了までへの最後の活用機会として、教育資金の一括贈与非課税制度の内容とメリットについてご紹介いたします。

教育資金の現状

教育資金は、子どもが幼稚園または保育園入園した以降に費用がかさみ始め、高校・大学進学時にピークを迎えます。文部科学省が2016年に行った「子供の学習費調査」によると、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学の全教育課程で私立学校への入学を選択した場合、子ども一人当たりで約1,770万円の教育費用が発生します。

子どもがいる家庭は、住宅ローンをはじめとするさまざまな出費もある中でさらに教育資金も確保しなければなりません。一方、祖父母に当たる高齢者にとっては、一般的な相続税・贈与税だと税負担が小さくないため、「孫(またはひ孫)のために上手に資産を役立てたい」と思う方が増えています。

教育資金の一括贈与非課税制度について

教育資金の一括贈与非課税制度とは、直系尊属から一括してお金をもらった0歳以上30歳未満の人が金融機関に預金し、また、そのお金を教育資金として使い切ることにより、贈与税が課税されないという制度です。

教育資金の一括贈与非課税制度は、日本経済の活性化のために、お金を持っているが貯蓄傾向のある高齢者の世代から、お金はないものの、消費意欲やお金の必要性が高い若い世代へお金を移転させることが目的で設けられました。

2019年3月31日まで資金提供を行い、支払先(※)が学校等である場合、合計1,500万円まで非課税となります。

※学校等:幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、大学院、高等専門学校、専修学校、各種学校、保育所、保育所に類する施設、認定こども園、外国の教育施設のうち一定のもの、水産大学校、海技教育機構の施設、航空大学校、国立国際医療センターの施設、職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発校、職業能力開発促進センター、障害者職業能力開発校

教育資金贈与のメリット

教育資金贈与のメリットとして、以下の点が挙げられます。

①教育資金として一括贈与すれば、贈与税が課税されない。
②一括贈与したお金を教育目的で使い切れば、贈与税が課税されない。
③教育資金や生活費をその都度贈与した場合の贈与税非課税制度と併用が可能。


教育資金の一括贈与非課税制度は、2019年3月31日までの期間限定の制度になりますので、それまでに教育資金のニーズがお子様のいる家庭である場合、活用を検討すると良いでしょう。

一方で、教育資金の一括贈与非課税制度には、以下のデメリットもあります。教育資金の一括贈与非課税制度の活用を検討する際は、デメリットも頭に入れておきましょう。

①教育資金を使い切らなかった場合は改めて贈与税が課税される。
②教育費用を支払う際の領収書が原則として必要となるため、事務負担が大きい。


また、子どもが複数いる場合、贈与額の多寡で問題が生じるおそれもあります。感情的な要因ではあるものの、一般的な相続などでも往々にして生じやすい事柄でもあるため、注意が必要です。

節税と子どもの成長に教育資金贈与の有効活用を

子どものいる家庭にとって、教育資金の確保は頭痛の種となりかねません。一方、高齢者にとっても、多額の贈与税・相続税が発生する前に、大切な孫(またはひ孫)のために教育資金の一括贈与非課税制度を活用することで節税効果を得られます。

教育資金の一括贈与非課税制度は2019年3月31日に終了を控えています。興味がある方はメリット・デメリットを比較するためにも、専門家に相談をしながら検討してみることをお勧めします。

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