2019.9.4
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資産運用

消費者も高い倫理観を求められる時代。「エシカル消費」とは何か

(写真=wk1003mike/Shutterstock.com)
(写真=wk1003mike/Shutterstock.com)
いま企業は、その事業、その存在に高い倫理観を求められるようになりました。CSRという言葉を耳にしたことはないでしょうか。これはCorporate Social Responsibilitの略であり、企業の社会的責任と訳されています。社会貢献性の高い事業を行う企業がいま評価されるようになっています。

こうした動きを敏感に捉えているのが投資家です。環境(Environment)、社会貢献(Social)、ガバナンス(Governance)の面で優れた企業を選別し、積極的に投資を行っています。これをESG投資といい、新たな投資の手法として注目されています。

この高い倫理観を持って活動する流れは、私たち消費者にも浸透しつつあります。消費者一人ひとりが、社会、環境、人に配慮する消費行動、これを「エシカル消費」といいます。このエシカル消費は、企業や社会に影響を与え始めているのです。

エシカル消費とは

2015年9月の国連サミットにおいて、「SDGs」が採択されました。 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、「持続可能な世界を実現するために2030年までに実現する17の目標」のことをいいます。

この目標達成のために、私たち個人が出来る活動として挙げられるのがエシカル消費です。エシカルとは「倫理的な」という意味であり、誰かに強制されたり規制されたりするものではなく、良心から出た自発的な行為を指す言葉になります。

投資家であれ、経営者であれ、世界の誰もが生活においては消費者です。たとえば買い物をするときなど、世界の貧困や環境破壊など、現代社会が抱える大きな問題に影響を与えている企業に関わらない製品を選ぶとしたら、これは社会にとって一つの貢献だといえます。こうした行動がエシカル消費になります。

エシカル消費を消費者庁では「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と述べています。

企業価値を測る新しい手段 ESG投資

いま大手企業の多くが活動方針にCSRを掲げています。CSRは従環境保護、人権保護、文化支援など広範の活動を目指す、ビジネスの新しい取り組みです。企業のこうした取り組みに対して、「社会的貢献を果たしている企業こそが長期的なリターンを得やすい」と見ている投資家がいま増えているのです。

投資家は「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」の3つの視点から企業価値を査定し、優れた企業に投資をします。これをそれぞれの頭文字を取ってESG投資といい、この投資手法が投資家の間で注目を浴びています。

ESG投資は、投資家による社会貢献として新しいアプローチだといえるでしょう。投資は企業価値に直接的な影響を与えます。ESG投資が普及することで、公害や人権などに配慮をしない企業への投資が減り、倫理的価値の高い企業への投資が増すことになります。投資家一人の行動を通して、社会的な課題が解決するという流れになることが予想されます。

企業が試される社会貢献

それでは、消費者がエシカル化していくなかで、企業としてはどのような点に注目し、ニーズに対応すべきでしょうか。消費者庁は、エシカル消費の際に消費者が配慮すべき対象として、以下の5つを具体例として挙げています。企業にはこれらを意識した活動が求められるといえます。

(1) 人……障がい者支援につながる商品
(2) 社会……フェアトレード商品、寄付付きの商品
(3) 環境……エコ商品、リサイクル製品、資源保護等に関する認証がある商品
(4) 地域……地産地消、被災地産品
(5) 動物福祉……エシカルファッション(環境問題、労働問題、社会問題に配慮した、素材の選定や購入、生産、販売をしているファッション)
参照:消費者庁「~あなたの消費が世界の未来を変える~

・企業の成長を後押しするエシカル消費

消費者庁は、消費者がエシカル消費を行う際に以下の3つを視点に入れ、その活動を行なっていると分析しています。

(1) 消費という日常活動を通じ社会的課題の解決に貢献
(2) 商品・サービス選択に第四の尺度の提供(安全・安心、品質、価格+倫理的消費)
(3) 消費者市民社会の形成に寄与(消費者教育の実践)

消費者のこうした倫理観の高いニーズ(エシカル消費)は、企業にとって大きな負担になるのではないかという心配の声があります。しかしこれは企業にとって負担となるものではありません。エシカル消費を考慮することで企業は、

(1) 供給工程(サプライチェーン)の透明性向上
(2) 差別化による新たな競争力の創出
(3) 利害関係者からの信頼感、イメージの向上(資本市場での事業者の評価向上)

といった価値の創出につなげることができます。またこれらはエシカル消費を求めるエンドユーザーたちからの直接的な消費はもちろん、先に述べた長期的リターンを考慮するESG投資家の投資の対象となり、倫理的なその活動は企業のブランド価値の向上につながります。

エシカル消費は長期的な効果をもたらす

エシカル消費、ESG投資といった方法によって、社会的な課題の解決を図る流れは、今後ますます盛り上がることでしょう。エシカル消費は持続可能な開発目標として、国連が推奨しており、世界的な潮流となりつつあります。

我々消費者一人ひとりが、人、社会、環境を考慮した消費を意識することで、大きなうねりとなって、さまざまな社会問題の解決につながります。エシカル消費を、今日からでも実践されてみてはいかがでしょう。

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